学園戦記ムリョウ

どういうアニメか聞かれるとちょっと困る。あえて言うならば学園もの+正義の味方、なんだけど。
すごく不思議な作品だ。未来なのになんだか懐かしい天網の町。ドライのようでウエットなクラスメイトたち、何から何まで謎なのに不思議と溶け込んでしまう転校生・ムリョウ、すっかり街に溶け込んでいる宇宙人たち・・・。
全編に渡って不思議なことばかりなのに全然不思議と感じさせない。慌ただしい様でとても落ち着く。深刻なのに緊張感がない。かといって決してふざけているわけでもない。
なんとも形容しがたい作品だ。
そんな世界をもっとも体現しているしているからこそ始が主人公であり、あの世界の人々の中では逆に異質な存在だからこそ那由多がヒロインなのかと思ったり。
NHKらしく、作品のクオリティ自体も安定して高い。キャストも新旧のバランスがいいし、大野雄二の音楽もよい。
ちょっと見るとただの学園もののようだけど、深いです、『ムリョウ』は。

ニュータイプとか、人類の補完とか、そんな言葉を使わなくても、もっと自然体で、人は次のステップに進めるんじゃないかと思った。


学校の怪談

(1)TV放送中も結構好きでよく観ていた。
目を皿のようにしてパンチラシーンをねっとりと見つめるのは『学怪』観賞の基本ですが(おいおい)、川上とも子スキーかつ間宮くるみスキーな私としては二人の叫び声を聴いているだけでも満足。

・・・、いやアニメの出来自体も悪くないんだよ。念のため。


キン肉マン2世

(1) 私たちの世代にとって『キン肉マン』というのはやっぱり特別な存在な訳で。
『2世』は連載開始当初から読んでいたが、映画化に続いてTVアニメ化と聞いたときにはちょっと驚いた。
掲載誌がプレイボーイのせいか下ネタが多いのが理由その1、そして何より、あんな作品を喜んで読んでるのはうちら旧作のファンばかり。夕方6時台の放送を主に観る若年層に受けるとは思えないのが理由その2。
アニメのスタッフがどうアレンジするかと思ったら、まさか旧作のTVシリーズのノリをそのまま持ってくるとはね。
あの笑えないギャグを21世紀になって観られるというのは嬉しいやら情けないやら。
単純に作品としてみるならば、そんなつまらないギャグは入れずにバトル物としてやった方がいいとは思うんだが、『キン肉マン』だからねえ。
作画とか全体のつくりは東映らしく安く済ましている印象だが、クソ力が発動して万太郎の筋肉が盛り上がる描写や、キン肉バスターの描写はなかなか良く出来ている。
あと、主題歌の『HUSTLE MUSCLE』の熱さは、『キン肉マンGo Fight!』『炎のキン肉マン』などの旧作の名曲にも劣らない。
ただ、やっぱりキャストが・・・。もちろん伝説超人(レジェンド)の。スグルが神谷明じゃないってのは激しく減点。劇場版やゲームキューブ版はちゃんと出演しているのにねえ。
バッファローマンや委員長も違うし。これでブロッケンやクロエも違うとか言ったら暴れるぞワシは。旧作のファンが何を求めているのかしっかり把握して欲しいもんである。
あ、万太郎役の小野坂昌也さん始め、新世代超人は文句ないです。
続きはわざわざ観ないけど、キン肉マン対テリーマンのエピソードだけは絶対観る(そのときは必ずオリジナルキャストで頼みます)。

(劇場版) TVアニメ化の前に制作された劇場版。
作品としては別に観るべきところはない。神谷明のセリフもわずかだし。
個人的には出てくる悪行超人がザ・犀暴愚なのが笑った。


クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲

知らぬ人もいない大人気TVアニメの劇場版第9弾。
私は弱年層向けアニメだからといってバカにしちゃいけないことは百も承知だし、『クレヨンしんちゃん』の劇場版は毎回出来がいいことも話に聞いていたし、シンエイ動画は日本で一番ちゃんとしたアニメをつくっている制作会社だと思っていた。にも関わらず今まで『クレヨンしんちゃん』の劇場版を観ていなかったのは、やはりあまりにメジャータイトルすぎて、メジャー嫌いのひねくれ性分が邪魔していたのだろう。
が、この『オトナ帝国』は公開後の評判を聞いて、さすが観なければと思っていた。ビデオを借りようと思っていたのだが、さすがに人気でいつも貸し出し中で借りられす。先日のTV放送でようやく観ることができた。

冒頭からいきなり大阪万博を再現したシーンから始まり、全編を通して70年代の懐古趣味あふれる雰囲気で溢れている。その辺のこだわりが世の好事家を刺激して大きな話題になったようだが、私は若者なので70年代にそんなに思い入れがあるわけでないのではっきり言ってどうでもよかったりする。
なによりこの作品の主題は、家族愛である。昔のニオイに囚われた父・ヒロシをしんのすけが助けるシーン、あの場面が結局この作品の全てである。70年代テイストなんてものは所詮物語の味付けに過ぎない。
そしてクライマックス、しんのすけがひたすら走り続けるシーン。ボロボロになりながらも未来のために走り続けるしんのすけ、演出の見事さもあいまって、凡百のバトルシーンのクライマックスなんざ足元にも及ばない迫力だ。
その後のしんのすけの言葉のひとつひとつも心に染みる。その辺りは実際に見て確認して欲しい。
この作品を観て、大人向け過ぎるとか、子供がついていけないとか言っている人もいるが、決してそんなことはないと思う。かえって余計なギミックにこだわらない分、子供の方がより作品の本質を感じられるのではないかと思う。
もちろん『クレヨンしんちゃん』らしいギャグやアクションシーンなどサービスも満点、一級のエンターテイメント作品に仕上がっている。
子供向けアニメとバカにしないで、是非多くの人に触れて欲しい。


コメットさん☆

(1) 2001年度最高の出来と評判の高いこの作品、日曜日の朝という時間帯の為、ほとんど観てなかったのよね(『おじゃ魔女』や『クウガ』もそう。ビデオに録画しろよ)。
ビデオも借りられ率が高くて今まで借りてこられなかったが、ようやく借りられた。
#1・#2は掴みとしては上々。これからおもしろくなるのはわかっているので安心して観られるわね。
コメットさんの古臭いデザインは好きでなかったのだが、意外とコロコロと表情が良く変わりかわいい。
そんなに気張って観る作品じゃないのでのんびり観続けましょうかね。

(2)〜(11) そんな訳で全巻観終えての感想です。
正直に告白すると、TV放送で観てた最初の方ってそんなにおもしろいと思ってなかったんだが、私の不見識でした。ごめんなさい。
本当に、観る度に幸せな気持ちにさせてくれる、輝きに満ちた素晴らしいアニメだった。
なんと言っても、登場人物が素敵な人々ばかりだった。
最初はトンチンカンで魅力を感じなかったコメットさんだけど、多くの人の輝きに触れ、自分の輝きを磨いて行くに連れて、どんどん素敵なプリンセスになっていった。
子供らしい元気さと優しさを振りまいてくれたつよしくんとネネちゃん。家族として暖かくコメットさんに接してくれたけーたろーパパとさやかママ。ぶっきらぼうでイジワルながらも夢に向かうひたむきさをコメットさんに教えてくれたケースケ。先輩として、母親のようにコメットを支えてくれた2代目コメットさんこと美穂さん。バトン部の仲間にミラとカロン。地球で出会った多くの人々。ラバボーやヒゲノシタ、そして多くの星の子たち・・・。
そして、なんといってもメテオさん。#17『メテオさんの涙』はマジ泣きしました。コメットさん以上に地球で多くのことを学んで成長したんじゃないだろうか。特にラストはメテオさんの独壇場だったね。イマシュンがコメットさんのことを想ってつくった歌を、そうと知りながらも歌うメテオさんにまたホロリ。
素晴らしいアニメだったのだが、あえて文句を付ければ、ラストの展開。唐突過ぎる王子様の登場とか、結局明かされなかったケースケの過去とか、どうにも消化不良な感が否めなかった。勿体無い。やっぱり打ち切りだったのかねぇ?
それでも、本当にいつまでも心に残る素晴らしいアニメだった。未見の方は、騙されたと思って是非観て欲しい。


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