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町の図書館から借りて『ゲド戦記』全5巻読破。
1〜4巻は大分前に読んだんだけど、久し振りだったので未読の5巻同様新鮮な気分で読めました。
第5巻を読んで、多くの読者同様、第4巻の読後に感じていた違和感や物足りなさがようやく払拭されてすっきりした感じがする。
読み返してみると、やっぱり『ゲド戦記』というか英雄としてのゲドの物語は3巻で終わっていたんだなあ、と。
第4巻は、力を失い、ただの老人となった、人間“ゲド”の物語の終焉であり、第5巻はアースシーという世界の物語の終わりであり、新たな始まりであったのだと思う。
ファンタジーという題材ながら、『指輪』なんかとはやっぱり違う。『指輪』なんかだと、まず世界ありき、なんだけど、『ゲド戦記』は一貫して人間を描こうとしているんだよね。この辺はやはり女性の書き手ということも大きいかもしれない。
なんか、自分でも存在を忘れていたパズルの、最後の1ピースがようやくはまった、今はそんな気持ちです。 |
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2004年7月3日(土) No.118 |
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