1999年8月・流浪編


その1・夏山が俺を呼んでいる

空耳だろう(ダリューン風に)。

というわけで、大学のシーズンスポーツでサマー登山を選んだ私は3泊4日の登山旅行に参加した。
詳しい行程を日記風に(ていうかこれは日記なんだが)書いていってもいいんだが、かったるいので(っておいおい)感想を少し。
山登りは楽しい。たまには体を動かすのは気持ちの良いことだ。
鹿沢山荘の料理は異常に豪華で美味しかった。
学部・学科を越えた交流できてなかなか有意義だった。
日焼け対策を怠るととんでもないことになる。
以上。


その2・デンマーク弁当が食べたくて

三河安城のデンマーク弁当が食べたくて飛び乗った鈍行列車〜

というわけで、何の脈絡もなく旅に出た。
暇人の味方・青春18キップを握り締めて。
山本正之さんの故郷・三河安城でデンマーク弁当を食べること以外は何も決めずに、財布に札を何枚か入れただけのきままなひとり旅、開始である。

7日。
東京から鈍行を乗り継いで三河安城駅で降車。
ここは浦佐か燕三条か(ローカルネタ)と思うくらい何もないが、市街は隣の安城駅の方にあるらしい。
しかし、デンマーク弁当といえば三河安城、新幹線のホームに入場券を買って入ると売店に燦然と輝く「Oh! デンマーク」!!
さっそく買って食べてみる。
なかなかにおいしい。
勿論記念撮影も忘れない。
食べ終わった後は箱をきれいに畳んでしまう。

全くの偶然なのだが、安城市ではちょうど安城七夕まつりをやっていた。
祭りでにぎわう市街をぶらつく。
錦町小学校やサンテラスなど、正之さんにゆかりの場所も見つける。
藤原いくろうさんも食べたという松月庵のうどんも食べた。
時間の都合でデンパークにいけなかったのは残念。 なんだか「都市」とか「街」よりも「町」という言葉の似合う、優しい感じの町だと思えた。

夕方の安城市を後に電車で名古屋へ。予想していたよりもずっと大きな「都市」だ。
土地勘もないし、夜から観光も無いだろうと言うことで、ブラブラうろつく。
ドトールのコーヒーを飲んだり、ゲーセンを覗いたり駅で兄チャンの弾くギターを聴いたりと東京でもできることしかしてなかった。

夜も更けてきたので、オールナイトの映画館へ。
別に路上に寝ててもいいんだけど、妙に路上生活者の方が多いのが気になったので。
映画は寝てたのでロクに見ていなかった。


8日。
せっかく名古屋にいるのにきしめんもういろうも食べてないのは寂しいなあ。
ということでローソンで天むすを買う。
わ、わびしい。

例によって鈍行を乗り継ぎ、今度は『青春ラジメニア』と震災の街・神戸へ。
昼頃到着、本屋で情報を仕入れ、ハーバーランドへ。
少し歩くとAM KOBEの新社屋が見えてくる。
更に進むとハーバーランド。
神戸ポートタワーに登ったり、海洋博物館に行ったり、遊覧船に乗ったりと、観光っぽいこともしてみる。
神戸の街はきれいでおしゃれでたった4年前に震災で壊滅した街とは思えなかった。
その後、いろいろぶらつく。『ラジメニア』でよく耳にする地名がよく出てくるのは妙な気分だ。
ただ、観光の街というだけでなく、神戸という街のもっと別の顔を見てみたかった気はする。
ああ、そうそう、神戸でもしっかり道に迷った。

夜は港でポートアイランドの夜景を見る。アベックばかりだが、まあ、夜景を見る権利くらい恋人たち以外にもあるだろう。男同士や女同士で見ている人たちもいたし。
恋人同士かもしれんが。
『ラジメニア』の放送時に見えるというライトアップされた観覧車を見れたのもうれしい。
夜も更けたので、24時間営業のファミレスで一晩過ごす。

ああ、神戸でぶたまんを食べ損ねたのは結構痛恨かも。


9日。
朝からダメ人間モード。
なんとか惰性で京都までは行ったがそこでやる気をなくす。
本当は『久遠の絆』の舞台にもなった愛宕山に登るつもりだったが、調べてみると、力尽きて太祖の生け贄になるのがオチなのでやめておくことにした。

風呂にも入りたいし、マトモに眠りたいので、帰ることにする。
時刻表を調べると少し時間がとれそうなので奈良公園に寄ることにする。
奈良公園では相変わらず人を舐めくさった鹿の態度がカッコイイ。
長年の疑問であった「どうして鹿は鹿せんべいを持った観光客は襲うのに鹿せんべい屋さんは襲わないのか」を解消するために鹿せんべい屋さんに聴いてみたらこんな答えが帰ってきた。

昔、鹿たちは観光客も鹿せんべい屋も関係なく襲いまくっていた。
が、鹿せんべい屋さんも黙ってはいない。「ダブル鹿せんべいブーメラン!」や「超電磁鹿せんべい!」などの必殺技で対抗し、戦いは激化の一途をたどった。
そんな状況を憂慮した鹿の長老と鹿せんべい屋の長老は話し合い、鹿は決して鹿せんべい屋を襲わない、そのかわりに鹿せんべい屋は余ったせんべいを鹿に提供するという形で決着がついた。
そして、もしその約定を破った鹿は鹿せんべい屋へと姿を変えられ、罰として数年の間鹿せんべいを売り続けなくてはならない。
だが、中にはそのまま人間としての人生を歩むものもいるという。
「私も元は鹿だったんですよ」と私が話を聞いた中年の鹿せんべい売りは笑って教えてくれた。

修学旅行の時に飲んだ冷やしあめを探したのだが、見つからないので、グリーンティとわらびもちを食べる。うまい。
春日大社に行こうとしてまたもや迷い、泣きそうになる。

その後、十数時間かけて、帰宅。
そういえば、豊橋駅でどて焼き丼というものを食べたのだが"どて"って何? 土手?


色々大変だったが、楽しい三日間であった。
来年あたり、チャンスがあったらまたやろっかな。


その3・夏はやっぱりコミケよね?

まあ、ふつー(のオタクに)はね。

というわけで、関東に住み始めて3年になるが、コミケに行ったことがない。
まあ、帰省に重なったり、人混みを見るとマップ兵器をぶちかましたくなるせいだったのだが、清く正しいオタクとしては一回くらいは行ってみないと、ということで初参加となった。

13日。
別にあせる必要は全くないので昼頃に会場に行ったのだが、まだ並んでたりするのね。 まあ、そんなに待たずに入場は出来たが。
まず、企業ブースへ。
ボケッとしていたら何故かリーフの列に並んでいる私。違う違う。ここじゃない。
ここじゃなくてFOGブース。
列ができててびっくり。
スカ社長さまが自ら売り子をしているのがFOGらしい。
思わず衝動買いでデスクトップアクセサリ(って俺パソコン持ってないじゃん!)とポストカードセットセット×3(って何故にそんなに沢山)を買ってしまう。
もう少しでみちのくテレカとかも買ってしまうところだった。あぶないあぶない。

そして東館へ。
さすがに広い。
端の方が霞んで見えるもんなあ。
某ガタケットのように全部見て回るというわけには行かないのでめぼしいところを見て回る。
そうして私は思い出した。
そういや、ワシ、同人誌買うの嫌いだった(おいおい)。
いや、同人誌そのものが嫌いとかそういう訳じゃなくて、玉石混淆の中からの取捨選択の労が煩わしくてなあ。結局何も買わなかったりするんだよなあ。
何しに来たんだおまえは、という説もある。
これからどうしようかと廊下を歩いていると、何処かで見たような人影を発見。
妹だったりする。
聞くと、ムーンライトで今日の朝に東京に着き、今日の夜ムーンライトで新潟に戻り、明日は仕事だそうだ。タフじゃのう。
ちなみに彼女は『幻想水滸伝』本を買い込んでいた。
弟に頼まれ、七瀬葵の原画集も買ってやったらしい。
しばらくしゃべった後、妹と別れ、私は会場を後にした。

その足で新宿へ。郷里の悪友が上京してきたので、集まって飲もうという話になったのだ。
いつも私を虐めてくれるYと「人生で価値があるのは野球だけだ」などと親父臭くプロ野球の話題で盛り上がる。
話に夢中でHが注いでいたウイスキーをがばがば飲んで頭が痛くなった。
アルコールはそこそこ強いんだが、ウイスキーは苦手だ。
そういやこのメンツって春先に酔いつぶれて前後不覚になったときのメンツだったなあ。
あぶないあぶない。

14日。
とりあえずこの日も夏コミへ。
一応、はれぶたスペースとか覗いたんだが、やはり何も買う気が起こらず、しばらくうろついて帰る。

そして今日は渋谷へ。
『ANIME JAPAN FES'99 IN SHIBUYA』と題し、ON AIR EAST&WEST でいくつもイベントが行われているのである。
私の目的は当然『魔女っ子大作戦スペシャルライブ』ではなく(ほんとはすごく行きたかったのだが)、『スーパーヒーロー魂(スピリッツ)'99 "見参"』である。

スパヒロライブ終了後は深夜0時から開催される『寄席! トーク! ライブ!』に参加。徹夜でやる無茶なイベントである。
第1部は寄席。
『青春ラジメニア』の岩ちゃんこと岩崎和夫さんやミンキー・ヤスさんの落語やショッカーO野さん、オタッキー佐々木氏、あだちゃ団などのコントが繰り広げられる。
なんといってもラジメニ亭岩助こと岩ちゃんの寄席はお見事。業界内でもファンが多いというのも納得(影山ヒロノブさんもお忍びで見に来ていたらしい)。
第2部はトーク。
アニメ界の裏話とかがまた飛び出すのかと思いきや、「コミニュケーション」をテーマにした結構真面目な内容。色々と考えさせられる内容だった。
第3部はライブ。
ステージも客席も一緒になったカラオケ大会である。
この時のヒーローはやっぱりショッカーO野さん。特撮ソングに合わせてそのヒーローの決めポーズを決めるのがとてもカッコイイ。さすがはプロである。私も何か練習してみようかな。

15日。
『寄席! トーク! ライブ!』が終わると午前5時。
一旦家に帰ってシャワーでも浴びてから夏コミ3日目へ、と思っていたのだが、面倒くさくなってそのまま寝てしまう。この日はギャルゲーの日だったというのに勿体ない(それでも何も買わなかった可能性大だが)。
夕方まで寝た後、再び渋谷へ。『ANIME JAPAN FES'99 IN SHIBUYA』の最終イベント『スーパーロボット魂'99 "夏の陣"』に行くためである。
スパロボライブはいつものように楽しい熱いライブだった。こうして私の忙しいんだかなんだか良くわからない3日間は終わったのだった。


その4・心に秘めた、北の星

私の母校・北辰小学校の校歌の一節。ちなみに作詞者はあの谷川俊太郎。『鉄腕アトム』の作詞者である。

というわけで、小学校4年生の時から3年間過ごした新潟県南魚沼郡六日町に数年ぶりに訪れた。
何度か友人のところに遊びに行ったことはあったが、町の中を見て回るのは10年ぶりとなる。

六日町駅に降り立つ。
駅の建物自体新しい綺麗になっていた。何年か前にほくほく線が開通したせいだろう。私が住んでいた頃は、ほくほく線はただの土手だったが。
駅前も様子が変わっていた。駅の横に大きなショッピングセンターが出来ていて、よく買い物に行っていたAコープや関書店もその中に移転していた。
商店街を歩いて私の通っていた北辰小学校の方へ向かう。ブックス平沢が移転していて、スーパーナグモヤやおもちゃのハヤカワはなくなっていた。
変わってしまったように見える町も、ちょっと路地を覗けば私の記憶の中にある風景そのままで懐かしさが込み上げてくる。
そして、北辰小学校。
私のいたころは新設校でまだ校舎も新しかったが、10年の歳月にふさわしく少しすすけていた。
校庭の消雪パイプから、グラウンドから、花壇から、プールから、音楽室から、たつの子池から、校舎の裏のマラソンコースから、思い出が溢れてくる。らしくもなくセンチメンタルな気分に浸ってしまう。
私と家族が住んでいた官舎にも行った。
さらに歩くと、ジャスコを中心としたショッピングエリアが見えてくる。
ジャスコを始め、マクドナルドや蔦屋やモスバーガーやゲームショップや(ちゃんとした)映画館が並んでいるのを見ると、10年という歳月を感じてしまう。
懐かしい場所には昔のままでいてほしい、などというのは離れて行った人間のエゴだろうから言うまいが、私が住んでいたころにこれらのお店があったらどうなっていただろうかと、想像してはみる。
その後はぶらぶらとうろつく。本当は上杉景勝公の居城であった坂戸城跡を見たかったのだが時間の都合で見送った。
夕方になり、数年前から始まったという毘沙門天の祭りの行列を見物した後、私は懐かしい町を後にした。


その5・おらが町に吉野屋が出来た

いや、だから何? と言われても・・・。
新潟県の名誉のために言っておくと、新潟市内に行けば吉野屋くらい以前からある。私の実家の黒埼町に新しく出来たと言うだけである。

というわけで、8月の後半の約2週間。実家に帰省した。
その間何をしていたかというと、友人と集まってだべってカラオケして飲んで、友人と集まって麻雀して飲んで、友人と集まってだべって飲んで、ガタケット(新潟コミックマーケットの略)に行って、友人と集まってカラオケボックスで飲んで、って、飲んでばっかだなあ。
折角、黙っててもゴハンが出てくる環境にいたんだからもっとのんびりしたかったなあ。

ちなみに今回の帰省での最大の収穫はポケットステーションをゲット出来たことであった(今のところただの光るメモリーカードだが)。


その6・見たいものは、見たい×3

朝飯前の当たり前というヤツである。

というわけで、この休み中に見た映像作品についてにょろっと語ろう。

『アップフェルラント物語』

田中芳樹の同名小説のアニメ化。この作品アニメ化されてたのね。
非常に気持ちのいいアニメに仕上がっている。原作の面白さを十分活かしていると言えるだろう。まあ、政治的駆け引きの部分とかが薄くなっているのがちょっと物足りないが仕方ない。
フライシャー警部役の江原正士さんの好演が光る。山口勝平と皆口裕子さんがイマイチなんだが。
『ラピュタ』っぽいと思うかも知れないが、それはまあご愛敬。

『怪傑ズバット』

「日本じゃあ2番目だな」の台詞で知られる伝説の特撮番組。
ウワサは色々聞いていたが、やっぱ実際に見ると凄いわ、あれ。
これを見てから私(と弟)の中では早川健の真似が流行りまくっていた。
やっぱり『ズバット』の魅力というのは宮内洋さんの魅力なんだなあ。
ところで、私の見た話に石ノ森章太郎がゲストの話があったのだが、野球選手という配役はどうか?

『ドラゴンハーフ』

見田竜介原作の同名コミックのアニメ化。
話自体は原作の1・2巻をなぞっているだけで特筆に値しないが、何が凄いって声優のキャスティングと演技(特に脇役)。
ロザリオの塩沢兼人さん、シヴァ王の緒方賢一さん、ルースの青野武さんもいいが、何よりダマラム役の大塚明夫さんである。あの声で「ダマラム一生の不覚!」と言われちゃうともう何も言えないよなあ。
大塚さんの「一生の不覚!」だけでも聴く価値あり。

『破邪大聖ダンガイオー』

10年ほど前のOVA。平野俊貴、大張正巳らのスタッフを集め、スーパーロボットの復権を目指した作品。
ダメです。おもしろくありません。OVAで打ち切りにあってどーする。
見るところと言えば、水木アニキ&ミッチの主題歌&ゲスト出演と神谷明さんのさわやか少年ボイスとノリノリの渡辺宙明サウンドくらいなので、見る価値はなし。

『はれときどきぶた』

ついに『はれぶた』を全話見終えた。この間見たのは41話から56話。
第41話「結婚してケローッ!」、第48話「わたしは給食が好きです」、第50話「回転地獄・昔々その武蔵」、第56話「安則君は角頭!って誰?」 あたりが私的には好きなエピソードだ。
PS2でDVDビデオ再生出来るそうだし、『はれぶた』のDVDボックス出してくれんかなあ。


BACK [diary]
BACK [nokotsudo]