風と海のスタジアム
〜マリンスタジアム観戦記〜



2000年10月5日。
友人F、Yと野球観戦。
午後4時。飯田橋に集合。
東京から京葉線で海浜幕張へ、行くつもりだったのだが乗り間違え、あやうく武蔵野線で府中まで行くところだった。西船橋で気付いて慌てて乗り換えるも大幅な時間のロス(よく考えたら総武線で幕張本郷駅→バスって手もあったな)。おっかしいなあ、何で間違ったんだろ。
おかげで海浜幕張駅に着いたのは6時頃。シャトルバスに乗ってマリンスタジアムへ向かう。

10月になり、現在5位のマリーンズにとっては単なる消化試合のはずだが、海浜幕張駅もマリンスタジアム周辺も人でごった返していた。
それもそのはず、対戦相手は首位ホークス。しかもマジックは1。ホークスが勝つか、神戸のライオンズが負けるかすれば、ダイエーの優勝決定。胴上げである。関東中のホークスファンが詰め掛けていることになる。
ちなみに、我々がこの日に観戦に行ったのは全くの偶然で、マリーンズの消化試合を観に行くはずだった。

マリンスタジアムは日本で唯一、強風で試合が中止になる球場として知られている。この日も浜風が吹いていたが、涼やかな秋風といった感じで心地良い。
入場口で持ち込もうとした酒類を取り上げられる。球場のビールは高いから持ち込もうとしたのにぃ。マリンスタジアムのケチ。
兎にも角にも入場。ナイターの照明が眩しい。ああ、野球場に来ているのだなと実感。生観戦は約10年ぶりだ(クロマティのホームランを見た気がする)。
一塁側(とーぜんね)内野席。いい場所が取れたと思ったら指定席でした。眺めが良すぎると思った。空いてるし。
自由席に移り空いているシートを探して座ったが、2階席の真下で天井が低く、スコアボードが全く見えません。しばらく我慢していたがなんとかもっと前の方に3人分空いてる席を発見。ファースト・石井の背中がはっきり見えるいいポジションを確保。
自由席でいい席が欲しかったら3人で来るのは止めましょう。

入場した時点で既にゲームは始まっており、いきなり1死2塁のピンチ。クリーンナップに回り、小久保、松中に連続タイムリーという絵に描いたような先取点。

マリーンズと言えば熱狂的なファンが多いことで知られる。
マリーンズにとっては消化試合にもかかわらず、ライトスタンドはホークスファンでうまるレフトスタンドに負けずにぎっしり。しかもほとんどの人がマリーンズのユニフォームを着ているのでスタンドは白一色。
さらに独特の応援は大声援の上に動きまでしっかり揃っているというすごさ。サッカーのサポーターもビックリだ。最近流行りの鳴り物を使わない応援もマリーンズファンが始めたんだよ(多分)。
あの応援団を見るだけでもマリンスタジアムに足を運ぶ価値はアリ。
(ま、本音を言うと、野球場に応援団なんかいらないと私は思ってるんだが、あれはあれで楽しいので良し)

2回表。四球で秋山が出塁。本間の一塁線のバントを石井が切れると思ってとらずにいたらそのままころころ転がってフェア。笑う。
その後、小坂のエラーなどもあって再び2失点。
しかし、小坂って、生で見るとほんとに小さいなあ。なんか他の選手と比べて縮尺が違うんだもん。

2回裏。ツーベースのボーリックを2塁においてバッターは石井。レフトポール際に打ち上げた打球はツーランホームラン。どりゃあー! という声が聴こえてきそうだ。

ところで、オーロラビジョンには球速表示が出るのだが、その表示が「132km お口の恋人」とか「124km キシリトールガム」とか表示されるのには笑った。

3回裏。小坂のスリーベースヒット(速い速い)からエラーもからんで4対4の同点。

4回裏。四球で出塁した小坂がスチール! タイミングはアウトだったけどボールをこぼしてセーフ。ううん、ちょっとスタートが遅かった。さすがは盗塁王、という盗塁が見たかったな。

5回裏。ボーリック、石井の連続ツーベースで逆転。一瞬目を離した隙に初芝がツーランホームラン! くそう、見れんかった。

6回表。マリーンズは3回から交代した川井が好投していたが捕まり1失点。替わった竹清も打たれて一死2、3塁。ここで、秋山の打ち上げた浅いライトフライで3塁ランナーがタッチアップのところをライト福浦好返球! キャッチャー清水将好ブロック! でアウト。うん、いいプレイだった。

7回表。レフトスタンドから大量のロケット風船発射。
7回裏には1塁側からも負けない量のロケット風船が発射。
気持ちはいいけど、掃除する人は大変だろうな。

8回表。守備固めで石井が交代。うーん、あのファーストを守っている背中がかっこ良かったのに。
この回、一死1、2塁のピンチも、新・マリンの大魔神、小林雅がピシャリと抑える。やっぱりコバマサは球、速いなー。

8回裏。目を離した隙にまた初芝がホームラン。なんてこった。ま、これで勝負は決まり。

9回表もコバマサがぴしゃりと抑えてゲームセット。
胴上げ阻止に湧くライトスタンド。私も喜んでいたが王監督の胴上げが見れなかったのはちょっと残念、と思っていたことは秘密だ。
レフトスタンドのダイエーファンは粛々と帰路に就いていた。ご愁傷様。

試合後。ヒーローインタビュー。初芝が今年初のお立ち台と聞いて笑う。何やってたんだおまえは。

その後、ライトスタンドのマリーンズ応援団はいつまでも応援を続けていた。いつまでやるのか見ていようかとも思ったが、さっさと出る。
そして、人ごみで湧くマリンスタジアムを後にして、我々は帰路に就いたのだった。



やっぱり、生で観戦するのはいいね。野球場はいい。
試合のほうも、ホームランもあり、好守好プレーもあり、ゲッツー処理もあり、と色々あっていい試合だった。贅沢を言えばライト方向のホームランとか見たかったけど。ファールボールも飛んでこなかったし。
密かにマリーンズ・吉田、ホークス・星野の新潟県人同士の投げ合いを見たかったんだけど贅沢というものか。

また、機会があったら訪れよう。この、風と海のスタジアムに。
(実はその機会はすぐにあるんだが・・・)


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